2019/12/02 2020/03/01
投稿 : @tomo_k09
職種 :薬剤師
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【薬物動態】分布容積が小さい・大きいの違い

 

薬物動態に出てくる言葉ってちょっと理解しにくいことが多くないですか?

 

薬物動態学には、たくさん「?」となるような用語が出てきますが、この記事では「分布容積」についてまとめてみました。

 

 

分布容積=組織への移行しやすさ

簡単に言ってしまうと、分布容積とは「組織への移行しやすさ」を意味します。

 

例を出しましょう。

2つの薬があるとします。

 

A薬:分布容積が大きい

B薬:分布容積が小さい

 

分布容積に違いのある薬を同じ量だけ投与した場合、得られる血中濃度に違いが出ます

 

A薬は分布容積が大きいです。

つまり、組織へ移行しやすいということですね。

 

そのため、血中に留まりにくく組織へ移行していくので、血中濃度は低くなるというわけです。

 

一方、分布容積の小さいB薬はどうなるのか。

分布容積が小さい=組織へ移行しにくいということなので、A薬よりも血中濃度は高くなります。

 

このように分布容積は、組織移行性を把握するのに便利な指標なのです。

 

 

分布容積が小さい薬の特徴

分布容積が小さい薬は、組織へ移行しにくいため血中に留まりやすいため、薬の相互作用が起こりやすくなります

 

代表的な分布容積の小さい薬に、ワルファリンがありますが、ワルファリンの95%以上が血中のアルブミンと結合して存在します。

 

ここで気をつけたいのは、血液をサラサラにする働きをするのは、アルブミンに結合していないワルファリンです。

 

ここで同じく分布容積が小さく血中に留まりやすいNSAIDsを投与したらどうでしょうか。

 

NSAIDsもアルブミンに結合しようとするので、アルブミンに結合できないワルファリンが増えますよね?

 

その結果、より血液がサラサラになって、出血しやすくなるというわけです。

 

以上のような理由から、分布容積が小さい薬は、相互作用による副作用の発現に対して特に注意が必要です。

 

 

分布容積が大きい薬の特徴

分布容積が大きい薬は、組織へ移行しやすいです。

より具体的にいうと、薬が体に溜まりやすくなります。

 

例えば、分布容積が大きい薬の代表例として、ジゴキシンがあります。

ジゴキシンは長期にわたって服用すると、薬が体内に蓄積して不整脈などの副作用を生じる可能性が出てきます。

 

つまり分布容積の大きい薬は、副作用の兆候を早く見つけ、重症化につながらないようにすることが大事というわけです。

 

 

まとめ

分布容積は組織移行性の指標となる。

 

少しずつ薬物動態についてまとめていきます。

 

 

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この記事を書いた人

名前:tomoyuki kato

職種:薬剤師

@tomo_k09

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オンライン薬局では薬剤師兼エンジニア、リアル店舗では在宅医療に従事しています。英語が得意でTOEIC900点・通訳案内士資格取得。プログラミングが好き(Rails・Vue.js) 。個人でWebサービスの開発もしています。 薬や英語学習、プログラミング、働き方に関するツイートがメイン。

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